表面的なものだけでは、
本質は見えない
高橋 真帆先生|バレエ安全指導者養成スクール DAY9の学び
哲学、バレエ史、服飾史、音楽史。一見すると異なる四つの講義を通して、高橋先生が見つけたのは、目に見える形の奥にある理由や背景へ目を向けることの大切さでした。知識を増やすだけではなく、感じる力、考える力、想像する力を育てること。そこに、総合芸術としてバレエを学ぶ意味が表れています。
みなさま、こんにちは。バレエ安全指導者資格®事務局です。
今回は、バレエ安全指導者養成スクールDAY9を受講された、スタジオバレリータ主宰・高橋真帆先生の課題レポートをご紹介いたします。
DAY9では、哲学、バレエ史、服飾史、音楽史という、バレエを取り巻く複数の領域を学びます。異なる専門分野を横断した先に、高橋先生は一つの共通する視点を見いだしました。
異なる専門分野を貫いていた、一つの視点
哲学、歴史、衣装、音楽。それぞれの講義は、扱う対象も言葉も異なります。しかし高橋先生は、そのすべてに「表面的なものだけでは本質は見えない」という共通の視点が流れていたと受け取りました。
バレエは、目の前に見えている身体の形だけで成立しているわけではありません。動きの背後には歴史があり、作品の背後には思想があり、衣装には文化があり、音楽には構造があります。その奥行きを知ることで、同じ作品や動きであっても、見え方と受け取り方は大きく変わります。
- 哲学美しさとは何か、価値とは何かを問い、当たり前に見えるものをあらためて考える。
- バレエ史一つの動きや作品の背景に、長い時間と人々の営みが積み重なっていることを知る。
- 服飾史一着の衣装に、時代、文化、美意識、作品を支える役割が込められていることを見る。
- 音楽史何気なく感じているリズムや拍子にも、理由と構造があることを学ぶ。
必ず理由や背景がある。DAY9を通して高橋先生が感じたこと
高橋真帆先生の課題レポート
今日の複数の講義の中に、共通して流れているものがあるとしたら、それは何だと感じましたか。
「表面的なものだけでは本質は見えない」という視点
DAY9のどの講義にも共通して流れていたのは、「表面的なものだけでは本質は見えない」という視点でした。
哲学では、美しさとは何か、価値とは何かを考えました。バレエ史では、一つの動きや作品の背景には長い歴史があり、服飾史では、一着の衣装にも時代や文化、作品を支える意味が込められていました。そして音楽史では、普段何気なく感じているリズムや拍子にも理由や構造があることを学びました。
どの講義も、目に見えているものの奥には必ず理由や背景があり、それを知ることで見える景色が大きく変わるのだと感じました。
芸術は「正解」を覚える学問ではない
また、芸術は「正解」を覚える学問ではなく、感じる力や考える力、想像する力を育てていくものなのだとも感じました。
理性によって知識を深めることも大切ですが、その知識を積み重ねることで感性も磨かれ、まだ見たことのないものを想像し、新しいものを生み出す力へとつながっていくのだと思います。
感性と想像力をさらに広げていく。学ぶことと、感じることのつながり
人生で経験するすべてのことが、感性を育てる
私は以前から、バレエだけでなく、さまざまな分野に触れることが大切だと考えてきました。美術や音楽、建築、自然、文学、人との出会いなど、人生で経験するすべてのことが感性を育て、芸術につながっていくのだと思っています。
バレエを学ぶということは、踊り方を覚えることだけではありません。歴史を知り、音楽を感じ、衣装をまとい、人の想いを受け取りながら、自分自身の感性を育てていく時間でもあるのだと思います。
多くの経験を通して感性を育み、その人らしい表現を見つけられることも、バレエ教育が支えられる大切な成長です。
生徒たちにも、上手になることだけを目標にするのではなく、たくさんの経験を通して感性を育み、自分らしい表現ができる人へと成長してほしい。そのために私も、まだ見たことのない世界に出会い、学び続けながら、感性を磨き続ける指導者でありたいと思います。
講義内容だけでなく、先生方ご自身から受け取ったもの
また、今回の講義を受けて、内容だけではなく、講師の先生方ご自身からも多くのことを感じました。それぞれの分野を専門にされている先生方には、その世界を深く探究してきた人ならではの雰囲気がありました。
- 哲学の先生物事の本質を深く掘り下げていくような、知性にあふれたお話し方が印象的でした。
- バレエ史の先生長い時間の流れを大切に扱うように、一つひとつの言葉を紡ぎながら歴史を伝えてくださっているように感じました。
- 服飾史の先生選ばれる言葉や表現そのものに、美意識や現代的な感覚がありました。
- 音楽史の先生声や言葉の響きまでもが、音楽のように感じられました。
これは私自身が受け取った印象ではありますが、それぞれの先生方がその分野を心から大切にし、長い時間をかけて向き合い続けてきたからこそ、その世界観が自然と表れているのだと感じました。
学びが、その人の言葉や佇まいににじみ出るまで
「好きなこと、興味があることを学び続けることで、その道の専門家になっていく」というお話がありましたが、まさに今回の先生方のお姿そのものだと感じました。
知識だけではなく、その人が積み重ねてきた経験や情熱が、その人自身の表現となり、周囲に伝わっていくのだと思います。
私自身も、知識を学ぶだけで終わるのではなく、その学びが自分の言葉や立ち居振る舞い、指導の在り方に自然とにじみ出るような人でありたいと思いました。
指導の在り方に自然とにじみ出る人へ。高橋真帆先生
バレエを深く教えるために、バレエの外側まで学ぶ
高橋先生、このたびも心のこもった素晴らしいご感想をお寄せくださり、本当にありがとうございました。
今回のレポートを拝読し、講義を通して、バレエ安全指導者資格®が皆さまにお伝えしたいと考えていることを、丁寧に感じ取ってくださったことを大変うれしく思いました。
バレエは、身体技術だけで完結するものではありません。音楽、歴史、思想、衣装、美術、文学、社会、そして、それを受け取る一人ひとりの人生経験が重なり合うことで、一つの表現が生まれていきます。
高橋先生が書いてくださったように、知識を得ることと感性を育てることは、決して別々のものではありません。知ることで、これまで見えていなかった背景に気づき、より深く感じ、考えられるようになる。その学びの豊かさを、今回のレポートから改めて感じさせていただきました。
専門性は、知識だけでなく、その人の在り方にも表れる
長い時間をかけて一つの分野を探究してきた方の言葉には、知識だけではなく、これまで積み重ねてきた思考や経験、そしてその分野への愛情が宿っています。
それは講義の内容だけでなく、声や言葉の選び方、佇まいを通しても伝わってくるものです。
指導者が学び続けることは、説明できる知識を増やすことだけではなく、生徒たちに手渡すことのできる世界を、少しずつ豊かにしていくことなのだと思います。
生徒たちが、上手になることだけを目指すのではなく、さまざまなものに出会い、感じ、考えながら、自分自身の表現を育てていけるように。
そのために指導者自身も、専門の内側と外側を行き来しながら、学び続けていく。
その大切さを、高橋先生が今回の講義を通して受け取ってくださったこと、そして素晴らしい言葉で届けてくださったことに、心より感謝申し上げます。
バレエ安全指導者資格®事務局
身体・教育・芸術を横断して学ぶ指導者へ
バレエ安全指導者養成スクールでは、解剖学や生体力学、心理、栄養などの安全に関わる領域だけでなく、歴史、音楽、哲学、美学、服飾など、バレエを総合芸術として捉えるための学びも大切にしています。
バレエ安全指導者資格® 安全指導者MAP
各コースを修了された先生がいらっしゃる全国のスタジオを、お教室選びや相談先を探す際の参考にご覧いただけます。
生徒の未来を守れる先生へ
バレエ安全指導者養成スクールでは、身体、心理、栄養、成長、芸術、指導法を横断して学びます。知識を覚えるだけでなく、目の前の生徒に合わせて考え、言葉とレッスンへ変えていく力を育てます。
総合芸術として、バレエを学び直す
身体の安全だけでなく、歴史、音楽、哲学、美学、服飾まで。複数の専門領域を横断し、目の前の生徒へ伝わる言葉と指導へ変えていく学びです。
