『バレエ安全指導者資格®︎が生まれた背景』
バレエ安全指導者資格®︎コラムVol.5
みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
今回は、「バレエ安全指導者資格®︎が生まれた背景」について、少しお話ししたいと思います。
私たちセーフダンスアソシエーションは、バレエジャポンの活動を通して、長年バレエ界のさまざまな課題と向き合ってきました。
気づけば、その活動も来年で15年になります。
たくさんの先生方や生徒さん、保護者の皆さまと関わる中で、私たちが強く感じるようになったことがありました。それは、
「バレエを大切に思う人ほど、悩みを一人で抱えている」
ということでした。
生徒の身体を守りたい。
もっと良い指導がしたい。
でも、何が正しいのか分からない。
相談できる場所も少ない。
そんな声を、本当にたくさん耳にしてきました。
そして同時に、バレエの世界には、長い間“当たり前”として見過ごされてきた課題もあると感じています。
たとえば、
・明確な安全基準や教育基準が少ないこと
・科学的根拠より「経験則」が優先されやすいこと
・身体や心への負担が、努力として見過ごされてしまうこと
・先生自身が孤立し、疲弊してしまうこと
もちろん、誰かを責めたいわけではありません。
多くの先生方は、本当に真剣に、生徒のためを思って指導されています。
だからこそ私たちは、「現場を否定する」のではなく、「現場を支える学び」が必要だと考えるようになりました。
それが、バレエ安全指導者資格®︎を立ち上げた理由です。
この資格では、整形外科医、公認心理師、管理栄養士など、各分野の専門家と共に、バレエ指導に必要な知識を多角的に学んでいきます。
たとえば、
・成長期の身体に配慮したケガ予防
・無理なストレッチや過度な負荷のリスク
・心の発達段階に合わせた声かけ
・摂食障害や無月経など、女性アスリート特有の問題
・安心できる教室づくりやハラスメント予防
こうしたことを、「現場でどう活かすか」という視点で丁寧に学んでいきます。
そして私たちが大切にしているのは、
“バレエダンサーである前に、一人の人間である”
という視点です。
どれだけ芸術を愛していても、身体や心が壊れてしまっては、長く踊り続けることはできません。
だからこそ、芸術性と安全性は、どちらかを選ぶものではなく、どちらも大切にしていく必要があると考えています。
また、この資格は、「今までの指導を否定するため」のものではありません。
先生方には、それぞれ大切にしてきたバレエがあります。
積み重ねてきた経験があります。
私たちは、その想いを土台にしながら、「安全」や「安心」という新しい視点を重ねていきたいと思っています。
「好き」という気持ちは、本当に大きな力です。
でも、ときに「好き」だけでは守れないこともあります。
だからこそ、情熱に専門性を重ねること。
感覚だけではなく、知識を持って支えること。
それが、これからの時代の指導者に必要な力なのではないかと、私たちは考えています。
バレエの文化は、舞台の上だけで育つものではありません。
地域のスタジオで、毎週レッスンを続ける先生。
小さな生徒たちと向き合い続ける現場。
その積み重ねが、バレエの未来をつくっています。
私たちは、現場の先生方を支えることが、未来を守ることにつながると信じています。
“見えない努力”がちゃんと報われること。
“誰かを育てる人”が孤独にならないこと。
そして、生徒たちが安心してバレエを続けられること。
そのために、私たちはこの活動を続けています。
少し長くなりましたが、今回は「バレエ安全指導者資格®︎」に込めた想いをお届けしました。
もしどこかで共感していただけたなら、ぜひこれから一緒に学びを深めていけたら嬉しく思います。
バレエの未来が、先生にとっても、生徒にとっても、もっと安心できる、豊かな場所になりますように。
ご一緒できる日を、心より楽しみにしております。
バレエ安全指導者資格®︎ 事務局
