川﨑真衣子先生|指導者の「想い」をシェアするコラム
バレエ安全指導者資格®︎コラムVol.38
みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
「生徒のために、もっとできることはないだろうか」
バレエ安全指導者資格®︎を受講される先生方の振り返りには、いつもそんな想いが溢れています。
技術を教えること。
上達へ導くこと。
そして何より、生徒一人ひとりの心と身体を大切に守ること。
このシリーズでは、資格を修了された先生方の等身大のメッセージとともに、それぞれの先生が大切にされている「バレエへの願い」をお届けしていきます。
今回は、川﨑真衣子先生をご紹介いたします。
看護の専門知識に裏打ちされた、根拠のある指導
川﨑先生の大きな強みは、現役の看護師として培われた、科学的で客観的な視点にあります。
バレエの動きは、美しく特別なものである一方で、時に解剖学的な「自然な動き」から大きく外れることもあります。
だからこそ川﨑先生は、ご自身の指導に対して、いつも丁寧に問いを持たれています。
「これは本当に安全なのだろうか」
「この伝え方に、きちんと根拠はあるのだろうか」
「この子の身体にとって、今この方法が必要なのだろうか」
そうしたクリティカルな視点を大切にしながら、バレエ安全指導者資格®︎の学びを深めてくださいました。
指導という場面では、ともすると「先生が教える人」「生徒が従う人」という一方向の関係になりがちです。
けれど川﨑先生の指導には、上から引っ張るというよりも、そっと隣に立ち、一人ひとりに寄り添いながら導いていくようなあたたかさがあります。
まるでコーチやエデュケーターのように、生徒さん自身が理解し、納得し、自分の身体と向き合えるように支えてくださる先生です。
「気合い」や「感覚」だけに頼らない、やさしい論理
バレエの指導では、どうしても感覚的な言葉が多くなりがちです。
「もっと引き上げて」
「もっと軽く」
「もっと強く」
「もっと頑張って」
もちろん、そうした言葉が必要な場面もあります。
けれど、それだけでは生徒さんが自分の身体をどう使えばよいのか、分からなくなってしまうこともあります。
川﨑先生は、重力や慣性、重心の位置など、身体に働く力を視覚的に分かりやすく伝えることを大切にされています。
「なぜこの姿勢だと安定するのか」
「どうしてここに体重を乗せると動きやすくなるのか」
「どこに無理がかかっているのか」
そうしたことを、子どもにも大人にも伝わる言葉で、丁寧に説明してくださいます。
生徒さんは、ただ頑張るのではなく、身体の仕組みを理解しながら動けるようになります。
それは、身体への過度な負担を減らし、より安全に、そして効率よく上達していくための大切な土台です。
医療現場の知恵をバレエに。「チーム・バレエ」という考え方
医療の現場では、医師、看護師、理学療法士、栄養士など、さまざまな専門家が連携しながら、一人の患者さんを支えています。
一人の専門家だけですべてを抱え込むのではなく、それぞれの専門性を持ち寄り、より良い支援を考えていく。
川﨑先生は、その医療現場での経験を通して、連携することの大切さを深く理解されています。
私たちバレエ安全指導者資格®︎でも、バレエの世界に「チーム・バレエ」という文化を根づかせたいと考えています。
指導者が一人で抱え込むのではなく、必要に応じて、医療、栄養、心理、トレーニングなどの専門家とつながりながら、生徒さんを多角的に支えていくこと。
川﨑先生は、この考え方に深く共感してくださいました。
成長期のお子さまにとっても、健康維持を目的にバレエを続ける大人の方にとっても、身体や心の変化を安心して相談できる環境があることは、とても大切です。
川﨑先生の視野の広さと専門性は、生徒さんが生涯にわたって安心してバレエを続けていくための、大きな支えになってくれるはずです。
心を守るための、心理的安全性とバウンダリー
現代のバレエ指導において、生徒さんの身体を守ることと同じくらい大切なのが、心を守ることです。
川﨑先生は、そのことをとても深く理解されています。
たとえば、指導の中で身体に触れる必要があるとき。
大人であっても、子どもであっても、必ず事前に本人の了承を得ることを大切にされています。
それは単なるマナーではありません。
生徒さん自身が、
「自分の身体は自分のもの」
「嫌なことには嫌と言っていい」
「自分の気持ちを大切にしていい」
と学ぶ、大切な機会でもあります。
バレエの上達のためだからといって、心や身体の境界線が曖昧になってよいわけではありません。
川﨑先生の指導には、生徒さん一人ひとりの尊厳を大切にする姿勢があります。
また、誰かが疎外感を抱かないような声かけや、時代に合ったジェンダーニュートラルな指導にも意識を向けられています。
一人ひとりが安心してその場にいられること。
自分らしく学び、挑戦できること。
その心理的安全性があるからこそ、生徒さんはのびのびとバレエに向き合うことができるのだと思います。
バレエを通して「生きる力」を育む
川﨑先生は、幼児期から思春期までの心理社会的発達についても深く学ばれています。
生徒さんがレッスンに集中できないとき、ただ「やる気がない」と決めつけるのではありません。
もしかすると、今日は心身の準備が整っていないのかもしれない。
疲れているのかもしれない。
不安があるのかもしれない。
今は受け止める時間が必要なのかもしれない。
そんなふうに、生徒さんの状態を丁寧に見極めようとされます。
また、中高生の生徒さんに対しては、自分で目標を立て、実行し、振り返るというプロセスも大切にされています。
ただ先生に言われたことをこなすのではなく、
「自分はどうなりたいのか」
「そのために今、何をしたらよいのか」
「やってみて、何が分かったのか」
を、自分で考えられるように導いていく。
それは、バレエのためだけの力ではありません。
協調性。
適応力。
自己理解。
問題解決力。
自分の身体と心を大切にする力。
川﨑先生が育てているのは、バレエのステップだけではなく、人生のさまざまな場面で生きていく力、いわばクロスオーバースキルでもあります。
一人ひとりが、自分に合ったバレエを見つけられる場所へ
川﨑先生は、こんな想いを大切にされています。
「バレエを人生そのものにする必要はない。一人ひとりが自分の目的に合ったバレエを追求できる環境を。」
この言葉には、過去にバレエで悩んだご自身の経験と、医療従事者として人の心身に向き合ってこられた深いまなざしが込められています。
プロを目指す人。
健康のために続けたい人。
表現することが好きな人。
仲間と過ごす時間を楽しみたい人。
自分に自信を持ちたい人。
バレエとの向き合い方は、一人ひとり違っていていい。
大切なのは、その人にとってバレエが、心や身体を傷つけるものではなく、人生を少し豊かにしてくれるものであること。
川﨑先生は、そのための安全であたたかな環境をつくろうとされています。
楽しく、健康に、そして主体的に。
心身ともに安心できる場所で、バレエの本当の素晴らしさを学びたい方に、川﨑真衣子先生のクラスは、きっとやさしく扉を開いてくれるはずです。
バレエ安全指導者資格®︎事務局
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