子どもが安心して帰ってこられる場所であるために

『子どもが安心して帰ってこられる場所であるために』

バレエ安全指導者資格®︎コラムVol.26

みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

今回のコラムでは、『バレエと親子の関係』について、ご家庭のお話はとてもセンシティブですが、比較的起こりうる問題として心理学的視点を交え書いてみたいと思います。


バレエは、とても美しく、そして特別な芸術です。
その一方で、他の習い事以上に、親子の距離が近くなりやすい世界でもあります。

送り迎え、衣装の準備、日々のサポート。
発表会やコンクールに向けて、一緒に悩み、一緒に喜び、一緒に頑張る。
だからこそ、親御さんの愛情も深くなりやすいのだと思います。

「もっと上手になってほしい」
「この子の可能性を広げてあげたい」

「キラキラした世界で踊るこの子をもっと見ていたい」

そう願う気持ちは、とても自然で、本来あたたかなものです。
けれど時々、その“想いの強さ”によって、子ども自身が少し疲れてしまうことがあります。

本来、家庭は子どもにとって「安心して戻ってこられる場所」であることが大切だと、心理学では考えられています。
これを「安全基地」と呼びます。

外の世界で頑張っても、失敗しても、悔しい思いをしても、家に帰れば「大丈夫だよ」と受け止めてもらえる
その安心感があるからこそ、子どもはまた挑戦する力を持つことができます。

しかし、家の中でも常に練習や評価、指摘が続いてしまうと、子どもは心を休める場所を失ってしまうことがあります。
また、親子関係の中では、知らず知らずのうちに「期待」が強くなりすぎてしまうこともあります。

「自分が叶えられなかった夢を、この子には叶えてほしい」

そんな気持ちももしかしたらあるかもしれません。
我が子だからこそ掛けてしまう想いや期待。
それもまた自然なことなのかもしれません。
ですが、その想いが強くなりすぎると、お子様の中で、子ども自身の気持ちよりも、“親の期待に応えること”が優先されてしまう場合があります。

さらに、「この子のために」と思うあまり、細かく関わりすぎてしまうこともあります。
もちろん、それも愛情からの行動です。
ただ、子どもが自分で考えたり、選んだり、失敗しながら成長する機会まで奪ってしまうと、「自分でできた」という感覚が育ちにくくなってしまうことがあります。

心理学では、人と人との適切な距離感を「境界線」と呼びます。

親子であっても、子どもは一人の人間です。
「この子はこの子、自分は自分」という感覚が守られることで、子どもは少しずつ“自分らしさ”を育てていきます。

バレエの世界では、親も子も本当に一生懸命だからこそ、ときに距離が近くなりすぎてしまうことがあります。
だからこそ、ときどき落ち着いて、一歩引いて世界を眺めてみてください。

「この子は今、安心できているかな?」
「頑張ることだけでなく、休める場所もあるかな?」

バレエの世界では、教師も親も、お子様も、みんな一生懸命になってしまうからこそ、そんな視点を持つことがとても大切です。

子ども時代に、「愛されている」「守られている」と感じられることは、その後の人生に大きな影響を与えます。
失敗しても大丈夫。
結果が出なくても価値がある。
その感覚が、自己肯定感や、人を信じる力につながっていきます。

親御さんにしかできない大切な役割は、「どんな時も味方でいること」です。

バレエは、人の心を動かす素晴らしい芸術です。
だからこそ、踊る子どもたち自身の心も、同じように大切に守られてほしいと、私たちは願っています。

そしてこれは、親子関係だけでなく、先生と生徒の関係にも通じるテーマです。
指導者という立場であっても、子どもの心に寄り添い、一人の人間として尊重する視点は、とても重要なのではないでしょうか。

今回のコラムを読んで、少しでも「うちもそうかもしれないな」と感じた方がいたとしても、どうかご自身を責めないでください。
大切なのは、“気づけること”なのだと思います。

バレエ安全指導者資格®︎では、解剖学や運動学だけでなく、このような“心の問題”についても、心理の専門家の先生方から学ぶ機会を大切にしています。

子どもたちが、安心してバレエを愛し続けられる環境を。
そして、親御さんや指導者の皆さまも、一人で抱え込みすぎず、共に学び合える場を。

本資格では、保護者の方のためのプログラムもご用意していますので、ぜひ一緒にお子様について、改めて想い願う時間を過ごせたらと願っております。

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局


保護者のための『バレエ安心プログラム』はこちら。

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