一部分だけでは、
全体は見えない
高橋 真帆先生|バレエ安全指導者養成スクール DAY10の学び
整形外科学、エクササイズサイエンス、ポイントワーク、音楽理論。異なる四つの講義を通して、高橋先生が感じたのは、「一つのものを一部分だけで捉えず、全体とのつながりの中で見ていくこと」の大切さでした。身体も、動きも、音楽も、そして目の前の生徒も、一つの要素だけでは捉えきれません。
みなさま、こんにちは。バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
今回は、バレエ安全指導者養成スクールDAY10を受講された、スタジオバレリータ主宰・高橋真帆先生の課題レポートをご紹介いたします。
DAY10では、整形外科学、エクササイズサイエンス、ポイントワーク、音楽理論という、それぞれ異なる角度から身体・動き・表現を学びます。高橋先生は、そのすべてを貫くものとして、「部分ではなく、全体とのつながりを見る」という視点を見いだされました。
身体も、動きも、音楽も、単独では存在しない
DAY10の四つの講義は、それぞれ専門領域が異なります。しかし、そこには共通して「目の前に起きていることを、一つの要素だけで説明しない」という姿勢があります。
痛みには、その人の身体的特徴や日々の動きが関わります。動作には筋力だけでなく、姿勢、重力、床から受ける力などが関わります。ポイントワークでは、その人にしかない身体に今何が起きているのかを感じ取る必要があります。そして音楽も、拍子だけではなく、アクセントや重さ、軽さ、長さ、質感が重なって表現をつくります。
- 整形外科学痛みや関節を一つの原因だけで判断せず、身体の特徴、状態、日々の動きの積み重ねを含めて考える。
- エクササイズサイエンス一つの動きを、筋力やパワーだけでなく、姿勢、重力、床から受ける力など複数の要素の関係として捉える。
- ポイントワーク身体を部分に分けて見るのではなく、世界に一つしかない固有の身体として、その瞬間に起きていることを丁寧に感じ取る。
- 音楽理論拍子やカウントだけでなく、アクセント、重さ、軽さ、長さ、質感など、音楽を構成するさまざまな要素を感じる。
全体とのつながりの中で見ていく。DAY10を通して高橋先生が感じたこと
高橋真帆先生の課題レポート
今日の複数の講義の中に、共通して流れているものがあるとしたら、それは何だと感じましたか。
一部分だけで捉えず、全体とのつながりの中で見る
今日の複数の講義を通して、共通して流れていると感じたのは、「一つのものを一部分だけで捉えず、全体とのつながりの中で見ていくこと」でした。
整形外科学では、痛みや関節を一つの原因だけで判断するのではなく、その人の身体の特徴や状態、日々の動きの積み重ねなど、さまざまな要素を含めて考えることを学びました。エクササイズサイエンスでも、一つの動きには筋力やパワー、姿勢、重力、床から受ける力など、多くの要素が関わっています。ポイントワークでは、身体を部分的に見るのではなく、世界に一つしかない固有の身体として捉え、その瞬間に起きていることを丁寧に感じ取っていくこと。そして音楽理論では、拍子やカウントだけではなく、アクセントや重さ、軽さ、長さ、質感など、音楽を構成するさまざまな要素を感じることで、表現がより豊かになることを学びました。
一つの正解だけで、物事を捉えない
どの講義にも共通していたのは、一つの正解だけで物事を捉えるのではなく、多角的な視点を持ち、それぞれの要素がどのようにつながっているのかを考えていくことだったように感じます。
多角的な視点を持つ。高橋真帆先生
知るほど、バレエがもっと好きになる
さまざまな角度からバレエを学ぶ中で、私はとてもシンプルに、「バレエが大好きだな。そして、指導者という仕事は幸せだな」と感じました。身体のことを知れば、これまで見ていた動きがまた違って見えてくる。音楽を知れば、同じ曲にもこれまで気づかなかった表情があることに気づく。そして、一人ひとり異なる身体や感性を持つ生徒たちと、その発見を共有していくことができる。知れば知るほど、バレエにはまだ知らない世界がたくさんあることを感じ、「もっと知りたい」「もっと生徒たちと共有したい」という気持ちが湧いてきます。
目の前の生徒一人ひとりの身体と感性、そして「今」を見る
今回の講義を通して、広い視野を持つことは、ただ知識を増やすことではなく、目の前にあるものをより深く見つめることにつながるのだと感じました。これからもさまざまな学びを重ねながら、目の前の生徒一人ひとりの身体や感性、そしてその子自身の今を大切に見つめていきたいと思います。そして何より、これからもバレエの素晴らしさや面白さを、生徒たちと一緒に発見し、楽しんでいける指導者でありたいです。
「正しく教える」の先にある、目の前の一人を理解する力
高橋先生、このたびも大切なご感想をお寄せくださり、本当にありがとうございました。
今回のレポートで特に印象的だったのは、整形外科学、エクササイズサイエンス、ポイントワーク、音楽理論という異なる講義が、高橋先生の中で「全体とのつながりを見る」という一つの視点につながっていったことです。
安全な指導に必要なのは、知識を一つずつ覚え、その通りに当てはめることだけではありません。同じ痛みであっても、その背景は一人ひとり違います。同じ動きであっても、身体の特徴や力の受け方は違います。同じ音楽であっても、何を感じ、どう表現するかには複数の可能性があります。
知識が増えるほど、目の前の生徒を「決めつけずに見る」ことができる
専門知識は、すぐに一つの答えを出すためだけのものではありません。
「ほかの可能性はないだろうか」「この子の身体では何が起きているだろうか」「いま必要なのは、直すことなのか、感じてもらうことなのか」。複数の視点を持つことで、指導者は目の前の生徒をより丁寧に観察し、その時々に応じて考えることができます。
それは、身体を守るための判断力であると同時に、一人ひとりの違いを尊重する指導にもつながっていくのだと思います。
そしてもう一つ、とても素敵だと感じたのが、「バレエが大好きだな。そして、指導者という仕事は幸せだな」という言葉でした。高橋先生のその言葉が、象徴しているように思います。
学べば学ぶほど、これまで知らなかった世界が見えてくる。見えるものが増えるほど、その発見を生徒たちと共有したくなる。専門性を深めることが、バレエへの愛情や指導する喜びをさらに大きくしていくこともあるのだと、高橋先生の文章が教えてくれます。
広い視野を持ちながら、最後には目の前の一人へ戻ってくる。その子の身体、その子の感性、その子の今を見つめながら、一緒にバレエの面白さを発見していく。DAY10の学びが、これからの高橋先生のレッスンの中でどのように育っていくのか、私たちも楽しみにしています。
バレエ安全指導者資格®︎事務局
知識をつなぎ、目の前の一人へ返していく指導者へ
バレエ安全指導者養成スクールでは、一つの専門分野だけで安全指導を考えるのではなく、医学、運動科学、身体感覚、心理、栄養、音楽、芸術などを横断しながら学びます。大切にしているのは、知識の量だけではなく、それらをつなぎ、目の前の生徒に合わせて考える力です。
バレエ安全指導者資格®︎ 安全指導者MAP
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学びを、目の前の生徒のための判断力へ
バレエ安全指導者養成スクールでは、身体、心理、栄養、成長、芸術、指導法を横断して学びます。一つの答えを覚えるのではなく、複数の知識をつなぎ、生徒一人ひとりに合わせて考えられる指導者を目指します。
