「心・愛・夢」を大切に、
一人ひとりの可能性に寄り添う。渡部理恵先生|25年間の指導経験と、学び続ける姿勢
生徒の良さを見つけ、一人ひとりの歩幅で、夢や目標へ向かってともに歩むこと。25年間バレエを教えてこられた今も、初心に返り、基礎から学びを重ねている渡部先生。その歩みと、教室で大切にされている思いをご紹介します。
バレエの先生とは、どのような仕事なのでしょうか。
美しい身体の使い方を伝えること。音楽とともに踊る楽しさを教えること。舞台に立つまでの道のりを、生徒と一緒に歩むこと。そのどれもが、指導者の大切な役割です。
5歳からバレエを学び、国内外の指導者によるレッスンや長年の舞台・指導経験を積んでこられた渡部先生は、その仕事について「人と比べず、その人の一番良いところや個性を大切にすること」を繰り返し語ってくださいました。
長い指導経験を持ちながら、バレエ安全指導者資格®では、あらためて「はじめてのバレエ指導コース」から学びをスタート。続いて「バレエ姿勢ベーシックコース」を修了され、現在は「ベーシック講座」でさらに学びを深めてくださっています。
これまでの経験を大切にしながら、新しい知識を受け取り、ご自身の指導を見つめ直していく。渡部先生が大切にされている「心・愛・夢」と、その学びの歩みをご紹介します。
25年の指導経験を重ねて、今も生徒と向き合う。
渡部先生は5歳からバレエを始め、長年にわたって踊りと向き合ってこられました。ニューヨークとロンドンではデイビッドハワードのレッスンに参加し、北海道ではヤン・スイッツのレッスンにも参加。さまざまな指導や表現に触れながら、経験を積み重ねてこられました。
2001年から2006年には原のり子バレエスクール、2009年から2013年にはバレエスタジオラ・モンテで講師を務められました。また、2013年からは元東京バレエ団ソリストの石田一葉先生に師事されています。
2013年8月には「りえバレエロード」を開設。2024年までの活動期間に、5回の発表会を開催されました。その後、2024年5月からはフリーランス講師として「パティールバレエ」での活動をスタート。これまでに培った経験をもとに、現在も生徒一人ひとりと向き合っていらっしゃいます。
- お名前
- 渡部理恵先生
- バレエ歴
- 5歳からバレエを始める
- 現在の活動
- パティールバレエ/フリーランス講師(2024年5月〜)
- 指導対象
- 子どもから大人まで
- 修了コース
- はじめてのバレエ指導コース/バレエ姿勢ベーシックインストラクターコース
- 現在の学び
- バレエ安全指導者資格® ベーシック講座(受講中)
これまでの歩み
- 5歳バレエを始める。
- 国内外での研鑽ニューヨーク・ロンドンにてデイビッドハワードのレッスンに参加。北海道にてヤン・スイッツのレッスンに参加。
- 2001〜2006年原のり子バレエスクール講師。
- 2009〜2013年バレエスタジオラ・モンテ講師。
- 2013年〜元東京バレエ団ソリスト・石田一葉先生に師事。
- 2013年8月〜2024年「りえバレエロード」を開設・運営し、発表会を5回開催。
- 2024年5月〜フリーランス講師として「パティールバレエ」をスタート。
長く指導を続けてきたからこそ、教え方に迷ったことも、時代の変化を感じたこともあったといいます。それでも渡部先生の中には、ずっと変わらない思いがあります。
それは、自分の目の前にいる生徒の良さを見つけ、その成長に寄り添いたいという気持ちです。
「亀さんのようにコツコツと」。忘れられない師匠の言葉。
渡部先生が子どもの頃から19年間師事された先生は、ニューヨークでも学ばれた、明るく楽しい先生だったそうです。
厳しさや競争を前面に出すのではなく、一人ひとりの個性を見ながら、無理のない身体の使い方と、音楽に合わせて踊る楽しさを大切にされていたといいます。
海外の先生を招いた講習会や、新鮮な振付・作品に触れる機会にも恵まれました。渡部先生ご自身も、ニューヨーク・ロンドンでデイビッドハワードのレッスンに、北海道でヤン・スイッツのレッスンに参加されています。そうした経験は、バレエが持つ芸術としての豊かさを知る時間になりました。
一方で、ご自身のことを「身体の条件もよくなく、覚えるのも人より遅かった」と振り返られています。
コツコツやって行きなさい」渡部先生が、恩師からかけられた言葉
周囲と同じ速さで進めなくても、その人ならではの良さがある。そんなふうに自分を見てくれた先生との出会いが、いま生徒へ向けるまなざしの原点になっています。
教える側になった今も、先生への感謝を忘れず、受け取ってきたものを次の世代へ渡そうとされていることが伝わってきます。
主役でなかった経験も、大切な財産に。
渡部先生は、ご自身が舞台でいつも大きな役を任されていたわけではないことも、率直にお話しくださいました。
コールド・ド・バレエとして踊る経験が多かったからこそ、舞台に立つ人の思いや痛み、優しさに気づくことができたといいます。
舞台芸術には、誰もが憧れる役があり、作品を支えるさまざまな役があります。一人ひとりがその中で何を経験し、何を持ち帰るのか。その意味は、配役だけで決まるものではありません。
華やかな舞台に触れた記憶も、指導の原点に。
学生時代には世界バレエフェスティバルを鑑賞し、一流のダンサーの表現に深く心を動かされたそうです。芸術が人の心に残すものの大きさを知ったことも、「バレエで人を幸せにしたい」という思いにつながっています。
目立つ場所に立つ経験も、舞台を支える経験も、それぞれが誰かの人生に残るものになっていく。渡部先生の教師観には、そんなご自身の歩みが息づいています。
教室のテーマは「心・愛・夢」。
渡部先生が教室の中心に置いている言葉は、「心・愛・夢」です。
プロを目指すためだけではなく、趣味として長くバレエを楽しみたい人にも、踊る喜びを届けたい。年齢や経験、得意なことが違っていても、それぞれの目標を大切にしたいと考えていらっしゃいます。
レッスンは少人数制。一人ひとりの課題に丁寧に向き合い、急がず、基礎を繰り返しながら成長を支えています。
その人の1番良いところや個性を
大切にしてあげて」渡部先生・提出課題より
思うようにできないことがあっても、その人の歩幅で続けること。自分の良さを見つけてもらえること。そして、バレエを通して希望を持てること。
先生が目指しているのは、そうした経験が積み重なっていく教室です。
一人ひとりが主役になれる、発表会を。
渡部先生が、指導の中でも特に得意とされているのが、発表会の作品づくりです。
2013年8月に開設した「りえバレエロード」では、2024年までに5回の発表会を開催されました。先生は、2年に一度の発表会を大切にしてきたと語り、子どもから大人まで、それぞれの個性を生かしながら、いろいろな役に挑戦できる作品と構成を考えてこられました。
舞台に立つことは、単に練習の成果を披露することだけではありません。自分の役を理解し、音楽と向き合い、仲間と一つの作品をつくること。その過程にも、多くの学びがあります。
バレエを通して夢を見続けてほしい。いつも主役を踊る人だけではなく、舞台に立つ一人ひとりに、忘れられない時間があってほしい。
かつて先生ご自身が舞台から受け取ってきたものが、今度は作品をつくる側として、生徒たちへつながっているのでしょう。
大人になっても、また始められる場所。
渡部先生は、幼い頃からバレエを習ってみたかった人や、子育てが落ち着いて自分の時間が持てるようになった人、しばらく離れていたけれど再開したい人も、温かく迎えたいと考えていらっしゃいます。
提出課題では、数年のブランクを経て体験レッスンに来られる方の姿を思い浮かべながら、どのように迎えるかを丁寧に考えてくださいました。
最初の挨拶や、更衣室の案内。緊張をほぐすための会話。無理に難しい動きを求めず、まずは音楽に合わせて身体を動かす楽しさを感じてもらうこと。
そこには、上手に踊れるかどうかの前に、安心してその場にいられることを大切にする視点があります。
「やってみたい」を、大切にする。
大人になってから一歩を踏み出すことには、期待と同時に不安もあります。渡部先生は、体験レッスンの内容だけでなく、初めて出会う人にどのような言葉をかけるかが大切だとお話しくださいました。
いくつになっても、新しく始めることや、もう一度挑戦することはできます。バレエがそのきっかけになることを、先生は願っていらっしゃいます。
25年の経験を持ちながら、もう一度、基礎から学ぶ。
原のり子バレエスクールやバレエスタジオラ・モンテでの講師経験、そして「りえバレエロード」での長年の教室運営と発表会制作。こうした指導者としてのキャリアをお持ちの渡部先生ですが、バレエ安全指導者資格®では、「はじめてのバレエ指導コース」から学びをスタートされました。
続いて「バレエ姿勢ベーシックインストラクターコース」を修了され、現在はさらに「ベーシック講座」にて学びを重ねてくださっています。
ご自身の中にある経験や指導方法を否定するためではありません。初心者にどう伝えるか、どのように動きを段階づけるか、生徒の身体や理解の違いにどう向き合うか。そうした基本を、改めて学びたいという思いからです。
講座中にはいつも、生徒さんへの温かなまなざしと、バレエへの深い愛情を語ってくださいました。お話に出てくるのは、自分の成果よりも、教室で学ぶ一人ひとりのことです。
そして、自分の説明が長くなることや、保護者の方との関わり方に迷うことなど、指導者としての課題についても率直に振り返られていました。
指導者の勉強をしたい」渡部先生・提出課題より
これまでの経験を大切にしながら、わからないことは学び直す。その姿勢は、経験の年数だけでは測れない、指導者としての大切なあり方を教えてくださいます。
伝えることを絞ると、生徒の姿が見えてくる。
「はじめてのバレエ指導コース」では、動作の難しさをどのように整理するか、初心者に何をどの順番で伝えるか、といった課題にも取り組んでいただきました。
渡部先生は、長い経験の中で知っていることがたくさんあるからこそ、一つの動きについても多くの要素を挙げられます。
そこから、支持基底面、動く範囲、音楽の速さ、動作の組み合わせなどを変えながら、課題をシンプルにすることを考えてくださいました。
最終アンケートでは、講座後の実際のレッスンで内容をプリエとタンジュに絞ったところ、生徒たちに成長が見られたように感じた、とご報告くださいました。
たくさん教えることだけが、丁寧な指導ではない。
一度に伝えることを減らし、一つの動きを落ち着いて確かめる。生徒の理解や身体の状態に合わせて進める。長年の指導経験と、新しく学んだ考え方が結びつき始めていることを感じます。
技術の名前を知っていることと、その技術を初めて学ぶ人に伝えられることは、同じではありません。
だからこそ、基礎に立ち返る学びには意味があります。渡部先生は、知識を増やすだけでなく、レッスンの組み立て方そのものを見直そうとされています。
変わらない優しさと、時代に合わせて変える指導。
長くお教室を続けていると、生徒や保護者の方々の考え方も少しずつ変わっていきます。
渡部先生も、その変化を感じながら、言葉の選び方や伝え方、保護者との関わり方について学び続ける必要性を語ってくださいました。
生徒に寄り添うことと、必要な約束や判断を伝えること。その両方を大切にする方法を、今も模索されているそうです。
ただ、時代が変わっても、明るく楽しく、一人ひとりの個性を大切にしたいという思いは変わりません。
これまでの経験から学び、いま必要な知識を取り入れ、目の前の生徒に合った方法を考える。その積み重ねが、長く続けていける教室の土台になっていくのだと思います。
バレエを通して、人の人生に残るもの。
渡部先生は、バレエ教師という仕事について、生徒に夢と生きる活力を届ける、社会に貢献できる仕事だと語られています。
バレエを習ったすべての人が、将来ダンサーになるわけではありません。それでも、稽古を続けた時間、音楽に合わせて踊った喜び、舞台で感じた緊張や達成感は、それぞれの人生に残るものになります。
初めての一歩を踏み出す人にも、長く踊りを続けている人にも、自分らしく挑戦できる場所があること。自分の良さを見てもらえた経験が、次の挑戦を支えることもあるでしょう。
指導者ができるのは、生徒の人生を決めることではなく、その人が自分の可能性に出会うための時間と環境を整えることなのかもしれません。
渡部先生が繰り返し語ってくださった「心・愛・夢」には、そんな願いが込められているように感じます。
温かいまなざしを、確かな学びとともに。
渡部先生、これまでの歩みや、日々のレッスンで大切にされている思いを丁寧にお聞かせくださり、ありがとうございました。
今回の課題と講座でのお話から強く感じたのは、ご自身が先生から受け取った優しさやバレエの喜びを、今度は生徒さんたちに届けようとされていることです。
誰かと比べるのではなく、その人の良さを見る。
急いで結果を求めるのではなく、一緒に歩く。
舞台に立つことも、基礎を繰り返すことも、その人にとって大切な経験になるように考える。
そして、25年間の指導を重ねた今も、ご自身の伝え方や教え方を見直し、学び続ける。
私たちバレエ安全指導者資格®も、先生方がこれまで育んできた経験と愛情を、確かな知識や判断力につなげるお手伝いができればと考えています。
心・愛・夢があります。」渡部先生・最終アンケートより
渡部先生が大切にされているこの言葉が、これからも多くの生徒さんたちの笑顔につながっていくことを願っています。
経験があるからこそ、学び直せることがある。そして、学び直すことで、これまで大切にしてきた思いを、より確かな指導として届けられるようになる。
渡部先生の歩みは、その大切さを改めて教えてくださいます。
バレエ安全指導者資格®事務局
バレエ安全指導者資格® 安全指導者MAP
各コースを修了された先生がいらっしゃる全国のスタジオを、お教室選びや相談先を探す際の参考にご覧いただけます。
バレエを通して、人を育てる。
解剖学・医学・栄養・心理・教育・哲学・音楽・歴史・芸術。バレエ安全指導者資格®では、正しい技術を伝えるためだけでなく、目の前の一人を理解し、安全に判断するための学びを提供しています。
