資格を取る意味は、 「できること」を増やすだけではない。

資格を取る意味は、「できること」を増やすだけではない|禁忌と判断力を学ぶということ
QUALIFICATION / SAFETY / JUDGMENT

資格を取る意味は、
「できること」を
増やすだけではない。 禁忌を知り、危険の境界を知り、判断できるようになること。

資格を取る意味というと、 肩書きが増えることや、 専門性を示せること、 仕事につながることに 目が向きやすいと思います。

もちろん、それも資格の価値の一つです。

しかし私たちは、 資格を取ることの大きな意味は、 その結果以上に、資格を取得するまでの過程にある と考えています。

何を学ぶのか。
何を知らなかったと気づくのか。
そして、学んだあとに何を判断できるようになるのか。

そこに、資格を学ぶ大きな価値があります。

BEFORE IMPROVEMENT

「もっと良くする方法」に、
目が向きやすい。

身体に関わる仕事をしていると、どうしても、

もっと柔軟性を高めたい。
もっと姿勢を良くしたい。
もっと筋力をつけたい。
もっと上達してもらいたい。
もっと健康になってもらいたい。

という方向へ意識が向きます。

指導する側としては、とても自然なことです。

相手に良くなってもらいたいと思っているからこそ、 方法を探し、勉強し、 新しい知識や技術を身につけようとします。

しかし、人の身体に直接関わる立場では、
「何をすれば良くなるか」より先に、
「何をしてはいけないか」を
知っておかなければならない場面があります。

CONTRAINDICATIONS

とても大切なのが、
「禁忌」を学ぶこと。

身体について学ぶ中で、 とても大切なものの一つが禁忌です。

禁忌とは?

「禁忌」という言葉は、 少し難しく聞こえるかもしれません。

簡単に言えば、
その人の身体の状態や症状によって、 「行ってはいけないこと」 「避けるべきこと」を知るための考え方です。

ある運動やストレッチが、 多くの人にとっては問題なく行えるものであっても、 身体の状態によっては負担になったり、 症状を悪化させたりすることがあります。

だから大切なのは、 「この運動は身体に良い」 という知識だけではありません。

誰にでも同じように
行ってよいわけではない。

禁忌を学ぶことは、 単に「やってはいけない動き」を 暗記することでもありません。

この場合は行ってよいのか。
方法を変えれば行えるのか。
今日は中止した方がよいのか。
医療などの専門家に相談してもらう必要があるのか。

そうした判断につなげていくための知識です。

つまり、

「できること」の境界だけではなく、
「してはいけないこと」の境界を知ること。

この境界を知らずに、 方法だけを増やしていくことには 危うさがあります。

THE RISK OF GOOD INTENTIONS

我流の怖さは、
「上達させられないこと」だけではない。

我流で指導することの問題というと、

効果が出ない。
なかなか上達しない。
遠回りをしてしまう。

といったことを想像するかもしれません。

しかし、本当に気をつけなければならないのは、 そこだけではありません。

善意で行ったことが、
相手を傷つけてしまう可能性がある。

指導者本人には、 傷つけようという気持ちはありません。

もっと良くしてあげたい。

痛みを減らしてあげたい。

身体を柔らかくしてあげたい。

上達させてあげたい。

その思いから行った指導でも、 その人の身体の状態を知らなければ、 負担を大きくしてしまうことがあります。

善意であることと、安全であることは、同じではありません。
JUDGMENT

「これは自分が対応していいのか」を
判断できること。

指導者に必要なのは、 すべてを自分で解決できることではありません。

大切なのは、

「これは自分が対応していいことなのか」
「今日は続けても大丈夫なのか」
「この症状は運動で対応する範囲なのか」
「専門家に相談した方がいいのではないか」

と判断できることです。

場合によっては、
「今日はやらない」という判断が、
その人にとって最も良い指導になることもあります。

何かを教えることだけが指導ではありません。

やめること。

減らすこと。

別の方法へ変えること。

そして、 自分の専門範囲を越えたときに 適切な専門家へつなぐこと。

それも、 身体を預かる人に必要な 大切な判断です。

KNOWING WHAT YOU DON’T KNOW

「知らない」ということに気づけるのも、
学ぶ価値。

学んでいくと、 「こんなに知らないことがあったのか」 と感じることがあります。

これは決して悪いことではありません。

何も知らないときほど、 自分が知らないことにも 気づきにくいものです。

これは簡単に判断してはいけない。
この場合は確認が必要だ。
この状態には別の専門知識が必要だ。

ということが、 学ぶことで少しずつ見えるようになります。

知識が増えることで、
自分が判断していい範囲と、
判断してはいけない範囲も見えてくる。

それも、 専門的に学ぶ大きな意味だと思います。

THE FIRST STAGE OF LEARNING

学び始めると、
一度「できないこと」が増えたように感じるかもしれない。

ここは、 学び始めた方にぜひ知っておいてほしいところです。

禁忌や危険について学び始めると、 最初は少し窮屈に感じることがあるかもしれません。

これまで何気なく行っていた指導について、

「あれもダメかもしれない」
「これもやらない方がいいのではないか」
「自分が今までやっていたことは大丈夫だったのだろうか」

と考えるようになることがあります。

知識が増えたはずなのに、 以前より自由に指導できなくなったような感覚を 持つこともあるでしょう。

しかし、それは学んだことで、
これまで見えていなかった境界が
見え始めたということでもあります。

何でもできると思っていた状態から、

自分ができること。
注意して行うこと。
行わないこと。
専門家へつなぐこと。

その違いが少しずつ分かるようになっていきます。

そして、その先にあるのは、

自分が責任を持てる範囲を理解したうえで、
自信を持って指導できること。

「これは私が伝えていい」

「ここまでは私がサポートできる」

「ここから先は専門家にお願いする」

そう判断できることは、 指導者としての弱さではありません。

それこそが、 専門家として自分の役割と責任を 理解しているということだと思います。

学ぶことによって、一時的に「できないこと」が増えたように感じても、
その先では、自分ができることを、より安心して、 より自信を持って伝えられるようになる。

そのためにも、 危険や禁忌を学ぶことには 大きな意味があります。

SAFETY BEFORE RESULTS

身体を預かるからこそ、
危険についても学ぶ。

上達や変化の前に、 不必要な危険にさらさないことが土台になります。

HEALTH

健康

健康になろうと思って参加した指導で、 かえって身体を痛めないようにする。

IMPROVEMENT

上達

上達を目指す中でも、 身体の状態を無視して進めない。

PAIN

痛み

痛みがあるとき、 運動で対応してよい範囲かどうかを考える。

STOP

中止

続けることだけでなく、 やめる判断も持っておく。

REFER

専門家へつなぐ

自分の範囲を越えたら、 医療やほかの専門職へつなぐ。

SAFETY

安全

効果を出すことより前に、 不必要な危険を避ける。

WHAT A QUALIFICATION CAN TEACH

資格は、
「何をしてはいけないか」を学ぶ機会でもある。

もちろん、 世の中にあるすべての資格が 同じ内容、同じ水準ではありません。

資格を持っているというだけで、 すべてのことを安全に判断できるわけでもありません。

だからこそ、 資格を選ぶときには、

「この資格を取ると、何ができるようになるのか」

だけではなく、 少し違う角度から見てみることも 大切だと思います。

禁忌について学べるのか。
危険なサインについて学べるのか。
自分の専門範囲について学べるのか。
専門家へつなぐ基準について学べるのか。
何をしてはいけないのかまで学べるのか。

そうした内容が含まれているかどうかも、 ぜひ見てほしいと思います。

TWO KINDS OF JUDGMENT

「できること」を増やすだけでなく、
「しない判断」も増やす。

01

する判断

何を教えるか。

どんな方法を選ぶか。

どうすれば上達につながるか。

02

しない・つなぐ判断

今日はここまでにする。

この動きは行わない。

これは自分が判断することではない。

専門家に相談してもらう。

身体を直接預かる仕事だからこそ、
上達させる方法だけではなく、
傷つけないための知識も学ぶ。

HOW TO CHOOSE

資格を選ぶときに、
ぜひ見てほしいこと。

資格を選ぶとき、

何が学べるのか。

どんな技術が身につくのか。

どんな仕事につながるのか。

それを見ることはもちろん大切です。

そこに、 もう一つだけ加えてみてください。

「この資格では、
何をしてはいけないかまで学べるだろうか」

できることを増やすために学ぶ。

同時に、 やってはいけないことを知るためにも学ぶ。

そして、 自分が判断できることと、 専門家へつなぐべきことを 見分けられるようになる。

資格を取る意味は、 肩書きを増やすこと以上に、

人に関わるための判断力を育てていく、
その過程にあるのだと思います。

NEXT STEP

ここから学びたい方へ。

自分の役割と判断できる範囲を知り、 安全に指導するための学びを、 今の段階に合わせて選ぶことができます。

01

まずは基礎から学ぶ。
ベーシック講座

身体・医療・心理・栄養・安全など、 バレエ指導に必要な基礎を横断して学び、 自分が対応する範囲と、 専門家へつなぐ範囲を整理したい方へ。

02

総合的に学ぶ。
バレエ安全指導者養成スクール

身体・心・栄養・安全・保護者対応・専門家連携などを 総合的に学び、 安全につながる判断力を育てながら 認定講師を目指したい方へ。

バレエ安全指導者資格®
運営: Safe Dance Association (セーフダンスアソシエーション)
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