シニアバレエに必要なホスピタリティと、これからのバレエ。

シニアバレエに必要なホスピタリティと、これからのバレエ|バレエ安全指導者資格®
SENIOR BALLET / HOSPITALITY / FUTURE

シニアバレエに必要な
ホスピタリティと、
これからのバレエ。 バレエがもっと、人の人生と社会に寄り添う芸術になるために。

高齢になってからバレエを始める人。

何十年ぶりかに戻ってくる人。

身体に不安を抱えながらも、 音楽に合わせて身体を動かしたい人。

これからのバレエスタジオには、 さまざまな年代、身体、人生を持つ人が 訪れるようになっていくでしょう。

そこで必要になるのは、 単に「シニア向けのクラス」をつくることではありません。

その人が安心して、 その人らしい形でバレエと関われる環境をつくること。

SEE THE PERSON

年齢を見るのではなく、
その人を見る。

シニアバレエというと、 動きを小さくしたり、 ジャンプを減らしたりすることを イメージするかもしれません。

もちろん、 安全のための調整は必要です。

しかし本当に大切なのは、

その人がどのような身体で、
どのような生活を送り、
なぜバレエをしたいのかを見ること。

同じ60代、70代でも、 身体の状態は一人ひとり違います。

運動習慣のある人もいれば、 長く運動から離れていた人もいる。

立位やバランスに不安のある人もいれば、 元気に身体を動かせる人もいます。

シニアバレエは、
年齢だけで内容を決めるものではありません。
WHAT IS HOSPITALITY?

ホスピタリティとは?

サービスとの違いから考えてみます。

ホスピタリティというと、 「丁寧な接客」や「おもてなし」を 思い浮かべるかもしれません。

私たちがバレエ教育の中で考えるホスピタリティは、

目の前の人の立場や状態を想像し、
安心して参加できる環境や関わり方を考えること。

SERVICE

サービス

あらかじめ用意されたものや、 約束された内容を提供すること。

レッスンを行う、 情報を案内する、 更衣スペースを用意する、 質問に答えるなどが該当します。

HOSPITALITY

ホスピタリティ

そのサービスを受け取る 「人」を見ながら、 必要な関わり方を考えること。

身体、経験、不安、その日の状態によって、 必要な対応は変わります。

サービスが「何を提供するか」なら、

ホスピタリティは
「その人と、どう向き合うか」。

初めて来た人が不安そうなら声をかける。

疲れていれば、 休む選択肢を伝える。

立位に不安があれば、 椅子を提案する。

参加しづらそうであれば、 別の方法を示す。

一方で、 ホスピタリティは 何でも要望を受け入れることではありません。

「今日はこの動きは控えましょう」
「少し休みましょう」
「一度専門家に相談してみましょう」

と伝えることもあります。

その人が長く安心してバレエと関わるために、
今、何が必要なのかを考える。

それもホスピタリティです。
IMAGINATION FOR PEOPLE

芸術家の想像力を、
目の前の人へ。

芸術家は、 想像力が豊かな人だと イメージされることがあります。

実際、 バレエも想像力を使う芸術です。

音楽から情景を思い描く。
振付から物語を感じる。
役柄の気持ちを想像する。
まだ存在しない舞台を頭の中に描く。

だからこそ私たちは、 その想像力を、

目の前にいる人のためにも
使っていきたい。

この人は今、 不安ではないだろうか。

無理をしていないだろうか。

「休みたい」と思っていても、 言いづらくないだろうか。

別の方法なら、 もっと安心して参加できるのではないだろうか。

もちろん、 想像することと、 相手の気持ちを決めつけることは違います。

想像したからこそ、 見る。 尋ねる。 話を聞く。

想像力は、
相手を理解したつもりになるためではなく、
相手を理解しようとするために使うもの。

それも、 これからのバレエ教師に必要な 芸術性の一つなのではないでしょうか。

HOW CAN THEY PARTICIPATE?

「できない」ではなく、
「どうしたら参加できるか」。

バレエでは、 脚が上がる、柔軟性がある、回れるなど、 技術によって人を見ることがあります。

もちろん、 技術を学ぶ場では評価も必要です。

しかし、 シニアバレエでは それだけが価値ではありません。

以前より少し長く立てた。
音楽に合わせて身体を動かせた。
自分の身体の変化に気づいた。
仲間と笑ってレッスンを終えられた。
バレエが外出するきっかけになった。

「この人にはできない」ではなく、
「どうしたらこの人も参加できるだろう」。

立位が難しければ、 椅子を使う。

大きな動きが難しければ、 小さな動きに変える。

ジャンプが難しければ、 別の方法で音楽やリズムを感じる。

バレエを簡単にするのではなく、
バレエへの入口を増やしていく。
MEDICAL SENIOR BALLET / CHAIR BALLET

椅子があることで、
バレエの場所は広がる。

メディカルシニアバレエコースで学ぶチェアバレエでは、 椅子に座った状態から、

体幹。
背骨。
骨盤。
股関節。
アームス。
呼吸。
音楽。
重心。

といった、 バレエに必要な要素を学んでいきます。

椅子は、
バレエを小さくする道具ではなく、
バレエが届く範囲を広げる道具。

椅子を使うことで、 スタジオだけではなく、

高齢者施設。
地域コミュニティ。
福祉施設。
健康づくりの場。
医療やリハビリテーションの専門職と連携する場所。

これまでバレエスタジオへ 足を運ぶことのなかった人にも、 バレエとの出会いをつくることができます。

FROM TEACHER-CENTERED TO PERSON-CENTERED

職人的な専門性に、
ホスピタリティを加える。

バレエには、 長く受け継がれてきた 職人的な教育文化があります。

教師が何十年もかけて磨いてきた眼、 音楽性、身体を見る力、 経験から生まれる言葉。

こうしたものは、 マニュアルには置き換えられない 大切な専門性です。

それを失う必要はありません。

一方で、 多様な人がバレエに関わる時代には、

「先生の方法に、生徒が合わせる」だけでは、
届かない人もいます。

身体も、 体力も、 生活も、 バレエをする目的も違う。

だから教師も、 目の前の人に合わせて 伝え方や方法を変えていく。

職人的な専門性を捨てるのではなく、
そこにホスピタリティという専門性を加えていく。
TEACHING IS ALSO DECISION MAKING

教えることは、
判断することでもある。

シニアバレエでは、 「何を教えるか」だけではなく、

今日、この人に、
この動きをしていただいてよいのだろうか。

その日の状態を見る。

必要なら動きを変更する。

休むことを提案する。

教師だけでは判断すべきでない場合には、 医療や専門職へつなぐ。

「今日はここまでにしましょう」と言えることも、
教師の専門性です。

安全とは、 何も起こらないようにすることだけではありません。

その人が自分の身体に合わせて 選択できる環境をつくることも、 安全な指導の一部です。

BEYOND TECHNIQUE

バレエ教師は、
豊かな時間をつくる人。

週に一度、 バレエに来る。

音楽を聴く。 身体を動かす。 先生や仲間と会う。

そこには、 技術を学ぶこと以上の時間があります。

身体を感じる時間。
人とつながる時間。
音楽を楽しむ時間。
新しいことを覚える時間。

バレエ教師とは、
バレエを教える人であると同時に、
バレエを通じた豊かな時間をつくる人。

BALLET FOR EVERY AGE

バレエを、
若い身体だけの文化にしない。

バレエは、 高く脚を上げる、 大きく跳ぶ、 何回も回るといった、 若く強い身体のイメージと 結びついてきました。

もちろん、 それもバレエの魅力です。

でも、

音楽を聴く。
姿勢を感じる。
呼吸する。
アームスを動かす。
重心を感じる。
誰かと同じ音楽を共有する。

そこにも、 確かにバレエがあります。

高齢者のためにバレエを別のものに変えるのではなく、

年齢や身体の状態にかかわらず、
それぞれの方法でバレエと関われるようにする。
THE TEACHERS WE WANT TO GROW

私たちが育てていきたい、
バレエ教師。

私たちが メディカルシニアバレエコースで育て、 社会に送り出していきたいのは、

バレエの技術を教えるだけではなく、
一人ひとりの身体や人生を見ることのできる教師。

できないことを指摘するだけではなく、

「どうしたら参加できるだろう」

と考えられる人。

安全や身体について学び、 自分が判断できる範囲と、 専門家につなぐべき範囲を理解している人。

そして、 芸術家として持っている想像力を、

作品や表現だけではなく、
目の前にいる人のためにも使うことのできる人。

音楽を感じる喜び。

身体を動かす喜び。

人と同じ時間を過ごす豊かさ。

「今日も来てよかった」 と思える時間。

そこまで届けられる教師を、 私たちは増やしていきたいと考えています。

BALLET WITH LIFE AND SOCIETY

シニアバレエから、
これからのバレエへ。

シニアバレエについて考えることは、 高齢者だけの話ではありません。

誰もが歳を重ねます。

生徒も。 教師も。

身体も、 仕事も、 生活も変わります。

そのたびにバレエを手放すのではなく、

踊る。
教える。
見る。
学ぶ。
支える。
誰かと楽しむ。

その時々で関わり方を変えながら、 バレエと一緒に生きていくことができる。

メディカルシニアバレエは、 そのための一つの入口です。

バレエ教師の専門性が、
社会の中で、
人の豊かな時間を支える力になる。

スタジオだけではなく、 地域へ。 福祉へ。 医療や健康づくりの場へ。

バレエが社会のさまざまな場所へ広がっていく。

私たちは、 そんな未来をつくっていきたいと考えています。

GIVE AND RECEIVE

感動を届け、
感動を受け取る仕事へ。

バレエ教師は、 技術や感動を生徒に届ける仕事です。

けれど、 シニアバレエの現場では、 教師もまた多くのものを受け取ります。

長い人生を歩んできた人が、 音楽に合わせて身体を動かす。

昨日できなかったことが、 今日は少しできる。

人と会い、笑う。

「ここに来るのが楽しみです」 と話してくださる。

感動を届けるだけではなく、
教師自身も、
人とバレエの時間から感動を受け取る。

そこにも、 バレエ教師という仕事の豊かさがあります。

MEDICAL SENIOR BALLET

バレエを、
人生に寄り添う芸術へ。

これからのバレエスタジオに必要なのは、 豪華な設備や 過剰なサービスではありません。

目の前の人を見ること。

想像すること。

話を聞くこと。

安全を考えること。

必要な選択肢をつくること。

必要であれば、 専門家につなぐこと。

その人が、
人生の中で長くバレエと関われる方法を
一緒に考えること。

私たちは メディカルシニアバレエコースを通して、

人に寄り添い、 人生に寄り添い、 社会に寄り添うことのできる バレエ教師を育てていきたいと考えています。

芸術に携わる私たちが持つ想像力を、
作品のためだけではなく、

目の前の一人のためにも使っていく。

バレエを、人生に寄り添う芸術へ。

そして、
社会の中に豊かな時間をつくる仕事へ。

バレエ安全指導者資格®
運営: Safe Dance Association (セーフダンスアソシエーション)
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